『助産学生の実習ってどんなことをするんだろう?』
助産学生の実習はあまりイメージできないかもしれません…
そこで今回は、助産師を目指している方や助産学生に向けて、助産師のうめこが「助産師課程の実習をわかりやすく・具体的に解説」していきます
はじめに
助産師学生は、病院や助産所で妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期の実習をします
実習内容や期間は、学校によって異なります
学校のカリキュラムが公開されている場合がありますので、助産学生の方やすでに助産学校に入学が決まっている方は、調べてみてください
今回は、実習場所別に、ほとんどの助産学校で行われている実習について説明していきます
病院実習
実習場所:主には病院の産科(分娩を取り扱うクリニックのこともある)
実習期間:3カ月程度(分娩介助件数によっては延長することがある)
助産学生の実習での大半を占めるのが、この実習です
分娩介助、ベビーキャッチ、継続実習、両親学級の見学、助産師学級の見学、MFICU / NICU・GCUでの受け持ちなどをします
ひとつずつ、解説していきます
分娩介助
助産師になるためには「正常分娩の介助を10例程度」行わなければなりません
分娩介助実習は、ただ単に赤ちゃんをとりあげるだけではありません
- 出産のために入院された方を受け持つ
- 分娩までのサポート
- 分娩介助
- 生まれた後の赤ちゃんと産後のお母さんのケア
これが実習の流れです
指導の助産師さんと、こんなことをします
- 分娩中の診察(内診・モニターの装着)
- 分娩を進めるためのケア(足浴・導尿など)
- 分娩の痛みを和らげるケア(つぼ押し・マッサージなど)
- 分娩介助(赤ちゃんをうけとめる・胎盤の処理など)
- 分娩後のお母さんのケア(出血量の確認・カンガルーケア・お産の振り返りなど)
- 出生後の赤ちゃんのケア(診察など)
実習の承諾をいただいて受け持ちをしていても、分娩の経過によっては、帝王切開や吸引分娩になって受け持ち中止となることがあります
その場合は、原則的に1例としてカウントすることはできません(どうしても実習期間に10例を介助できなかった場合には、救済措置として、帝王切開や吸引分娩何件かを合わせて1例とカウントするという学校はあります)
お母さんや病院の許可が得られれば、帝王切開の見学や吸引分娩のサポートをさせていただく場合もあります
分娩介助実習についてはこちらで詳しくまとめています
ベビーキャッチ
生まれたあとの赤ちゃんの処置をする実習です
- 分娩経過からどんな状態の赤ちゃんが生まれてくるか予想する
- 生まれたあとの処置に必要な物を準備する
- 赤ちゃんが生まれたら受けとって処置をする
- 生まれたあと24時間までの診察をする
というのが、実習の流れです
通常は、正常な赤ちゃんを対象に実習します
ただ、生まれてみたら元気がない赤ちゃんだったという場合もあるので、実習の前に新生児の蘇生方法の講習を受けたり練習もたくさんします
継続ケース
赤ちゃんがお腹にいる時〜生まれて1ヶ月くらいまで、受け持ちをさせてもらう実習で、このような流れになっています
- 正常な経過の妊婦さんを受け持つ
- 妊婦健診に同行・妊娠中の保健指導
- 入院から分娩までのケア
- 分娩介助
- 入院中のお母さんと赤ちゃんをケア
- 家庭訪問
- 1ヶ月健診での保健指導
継続ケース実習は、分娩介助の実習を平行して行います
分娩予定日が実習期間中の方を受け持つので、1〜2例になることが多いです
指導の助産師さんと、こんなことをします
- 妊娠中のケア(健康促進のための保健指導・バースプランの作成など)
- 分娩中のケア
- 産後のお母さんのケア(体調の観察・授乳や沐浴の介助・退院指導など)
- 赤ちゃんのケア(体重や黄疸のチェックなど)
- 家庭訪問(退院後のお母さんの体調や赤ちゃんの体重チェック)
- 1ヶ月健診(赤ちゃんの計測・今後の生活についての指導
両親学級
病院やクリニックで行われる両親学級では、助産師がこれからママ・パパになる方に向けて妊娠や分娩の経過や育児の仕方を説明します
両親学級の見学を通して、助産師がどのように説明をしているのか、どのように説明すれば伝わりやすいのか、妊婦さんやこれからパパになる方がどのようなことを不安に思っているのかを学びます
助産師外来
助産師外来とは、助産師が正常な妊娠経過にある妊婦さんの妊婦健診や保健指導をする外来のことです
腹部計測、胎児心拍の確認、腹部超音波検査、妊娠による身体の変化や体重コントロールなどについてのアドバイスや、妊娠中の乳房や乳頭のお手入れをしています
助産師外来を見学して、助産師が妊婦さんのどのような点を観察しているのか、質問に対してどう答えているのかなどを学びます
MFICU / NICU・GCU
助産師として働くようになると、正常な経過から逸脱した妊婦さんや赤ちゃんのケアもするようになります
切迫早産で入院されている妊婦さんや、早産で生まれた赤ちゃん、生まれてから何かの病気があり入院している赤ちゃんのケアを見学したり、受け持ちをしてケアを一緒にする実習を取り入れている学校もあります
助産所実習
実習場所:助産所
実習期間:1週間以内のことが多い
助産所とは、助産師が施設の責任者となって、正常な経過の方を対象に妊娠期のケア・分娩介助・産後ケアをおこなう施設です
助産所でのケアを見たり体験して、病院との違いや、お母さんや赤ちゃんが安全で快適な入院生活をするための管理方法などを学びます
地域母子保健実習
実習場所:助産所や保健所など
実習期間:1週間以内のことが多い
助産師の仕事は、妊娠・出産に関わることだけではありません
望まない妊娠を防ぐための性教育、家族計画の指導、子ども健康に成長するための支援、妊婦さんの面談、病院や助産所を退院した後の育児の支援なども助産師の役割です
地域母子保健の実習では、地域における助産師の役割を学びます
まとめ
今回は、『助産実習ではどんな実習があるのか・どんなことをするのか』を解説してきました
助産実習は、看護実習に比較して圧倒的に大変です
しかし、助産実習を通して、助産師に必要な知識や技術を学べたのはもちろんですが、生命の誕生に関わることで、人生について考えることが増えて、自分の視野が格段に広がりました
人生で最も濃密な時間だったな〜と思っています
これから助産実習に行くみなさん、不安もあると思いますが、あなたの人生にとってプラスになることは間違いないです
みなさんを応援しています🌸
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