- 分娩介助の実習ってどんな感じ?
- 助産学生の実習について知りたい!
このような方に向けて、現役助産師のうめこが助産学生のリアルな実習スケジュールを大公開します!
今回は、助産学生の実習の中でもメインのとなる「分娩介助実習編」です
分娩介助実習ってなにするの?
助産師になるためには、正常分娩を10例程度介助することが必要で、その経験をするための実習が分娩介助実習です
分娩介助実習といっても、ただ赤ちゃんをとりあげるだけが実習ではありません
分娩がはじまったばかりの産婦さんのケア〜分娩後のケアまでが実習になります
具体的には指導の助産師さんと、こんなことをします
- 分娩中の診察(内診・モニターの装着)
- 分娩を進めるためのケア(足浴・導尿など)
- 分娩の痛みを和らげるケア(つぼ押し・マッサージなど)
- 分娩介助(赤ちゃんをうけとめる・胎盤の処理など)
- 分娩後のお母さんのケア(出血量の確認・カンガルーケア・お産の振り返りなど)
- 出生後の赤ちゃんのケア(診察など)
とある日の実習スケージュール
こちらは、うめこの助産学生時代のある日の実習スケジュールです!

どうでしょうか?
なかなかイメージしづらいと思うので、詳しく紹介していきます
実習の流れ
病棟に行く前

病棟に行く前に、教員と待ち合わせをします
今日の実習内容や目標を確認してもらい、必要であれば修正します
提出する課題や記録があればこの時に提出します
病棟到着〜朝礼
8:30ごろから朝礼がはじまるので、それまでに病棟へ行きます
朝礼がはじまる前に、ホワイトボードで分娩進行者さんの情報を見て、教員や指導者と相談して実習させていただきたい方を選びます
朝礼では、重症な患者さんや分娩進行者さんの情報が共有されるので、実習生である自分もチームの一員として病棟の状況を把握するようにします
朝礼の最後に、今日の目標や実習内容を今日の看護師さんや助産師さんに向けて発表します
実習の承諾を得る
朝礼がおわったら、教員や実習指導者とともに実習の同意をいただきにいきます
このとき、モニターを見たり部屋の外から産婦さんの声などを聞いて、陣痛が和らいでいる状態のときに説明することが大事になってきます
情報収集

実習の同意が得られたら、カルテや母子手帳から情報収集を行います
その情報をもとに、
- 分娩経過は正常か
- 今後はどのような分娩経過が予測されるか
- 正常から逸脱しないようにどのようなことをするか
- 出生時間はどのくらいと予測するか
このようなことをすぐ考えて、今日の目標とともに今後の計画を指導者さんに報告します
ケアの実践

計画の確認ができたら、教員や指導者さんと一緒に分娩促進や産痛緩和のケアをします
ケアをしている時も、産婦さんの反応やモニターを常に観察します
助産診断・計画修正
分娩はリアルタイムに進行していくので、ケアの合間でこまめに助産診断や計画立案をおこなっていきます
診断や計画の修正があれば、その都度教員や指導者に報告や相談をします
- CTGモニターをつけるべきタイミング
- 内診が必要なタイミング
- 分娩室に移動するタイミング
なども、指導者さんと一緒に考えて実践していきます
産婦さんの分娩進行状況をみて、適切なときに自分もお昼休憩に入ります
状況によってはお昼休憩を取れない時もあるので、そのような時はゼリーやおにぎりなどですばやく食べて戻ります
分娩介助

分娩が近づいてきたら分娩室に産婦さんと移動して、分娩の姿勢を取ったり赤ちゃんをとりあげる準備をしていきます
ここでも、モニターや産婦さんの様子を見ながら、何をどのタイミングで準備するか、出生時間の予測なども並行しておこなっていきます
いざ、赤ちゃんが生まれてくるときには、指導者さんと一緒に手を添えて介助を行います
赤ちゃんが誕生したら臍の緒を切ったり、胎盤の娩出をさせます
分娩後のケア

赤ちゃんが生まれても実習は続きます!
胎盤が娩出できたら、子宮の戻りや出血量を観察します(胎盤が剥がれたところは生傷のようになっていて、子宮が収縮することで血を止めます。子宮が収縮しないと出血が止まらなくなり、最悪の場合は命に関わることもあります)
子宮の収縮が悪く、点滴や医師の処置が必要な時は、お母さんのそばに付き添って声かけをしたりバイタルサイン測定をします
お母さんの全身状態が問題なければ清拭や着替えの介助をして、母子早期接触を行います
この合間で、胎盤や臍帯の観察・出血量の計測を行い、胎内環境や今後のリスクを予測して指導者さんや医師に報告をします
分娩後2時間までは、お母さんの状態が変化しやすいので、1時間・2時間と出血量の計測や子宮の収縮状態・バイタルサインを注意深くみていきます
病室への帰室
分娩後2時間までお母さんの全身状態が安定していれば、一緒に分娩室から病室に戻っていきます
お母さんの疲労具合や出血量などから、歩いていけるか、車椅子がいいのか、ストレッチャーがいいかなどを考えます
分娩室の片付け・掃除
お母さんが病室に帰られたあとは、分娩室を片付け・掃除を行い次の分娩に向けての準備をしておきます
指導者さんと振り返り

最後に、指導者さんと振り返りをします
目標に対する評価をしてもらったり、助産診断やケアのタイミング、分娩介助の手技についての助言をいただきます
お産がない日は何する?
予定帝王切開や計画分娩を除いて、お産の時期は誰にもわかりません
なので、実習期間中でも分娩がなかったり実習させていただける産婦さんがいない日もあります
そんな日は、まず待機の順番を決めます
分娩介助実習は、学生数人でひとつの病院に行くので、もし、入院がきた時やお産になりそうな人が出てきた時に、誰が1番目に受け持たせてもらうかを話し合って決めておきます
待機の順番が決まったら、今日の病棟のイベントなどをみながら教員・実習指導者と相談して、その日の実習スケジュールを決めていきます
実習病院や助産学校によっても違いありますが、うめこの場合はこんなことをしていました
ベビーキャッチの実習

自分は受け持ちの産婦さんがいなくても他の学生が受け持ちをしている場合、許可が得られれれば、生まれたあとの赤ちゃんの処置をする実習をします
分娩経過からどんな状態の赤ちゃんが生まれてくるか予想して、生まれたあとの処置に必要な物を準備します
赤ちゃんが生まれたら受けとって処置を行い、生まれたあと2時間までの診察、24時間までの状態評価を行うのがこの実習の流れです
外まわり
他の学生が受け持ちをしているとき、分娩室に入ってから外回りとして分娩に関わらせてもらうこともあります
直接介助(実習のメインとなる学生)は下から介助をしますが、外まわりは産婦さんの横に立ってお手伝いをします
移動や水分摂取の介助、汗を拭いたり、声をかけたりなどをします
見学

助産師外来や両親学級、NICUの見学なども、助産課程の実習に含まれているので、予約状況をみながら、分娩がない日にこれらの実習も並行してやっていきます
記録
ベビーキャッチや外まわり、見学実習などもできない時は、記録をして分娩待機をします
助産師課程の記録は膨大なので、とっても助かる貴重な時間です
まとめ
今回は、助産学生の分娩実習の1日を紹介してみました
助産師課程のメインとなる分娩介助実習はやることいっぱいです!!
助産師の実習について詳しく知りたい方はこちらも参考になると思います😄
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