【分娩介助】リアルな実習スケジュール!実習でやるべきこと・実習のコツも解説

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うめちゃん 助産師・看護師
地方在住の助産師ライター
4年制大学で看護師と助産師の資格を取得。
産科病棟・NICU・GCUでの勤務を経験し、独学でフリーランスになる。
現在は在宅ワークライフを満喫中♪
  • 助産師の実習では何をするの?
  • 分娩実習ってどんな感じ?
  • 助産学生のリアルな実習の様子を知りたい

助産学生の実習で「分娩介助」を行うことは多くの人が知っていると思います。

しかし実際にはどのようなことが行われるのかイメージはつきにいのではないでしょうか。

この記事では、これから助産師を目指したい人や助産師に興味がある人に向けて、助産師のわたしが助産学生の分娩介助実習のリアルをご紹介します。

助産師うめこ

助産師が解説!

この記事でわかること
  • 分娩介助実習とは
  • 分娩介助実習で何をするか
  • 分娩介助実習のスケジュール
目次

分娩介助実習とは

分娩介助をする助産師

分娩介助実習では、お母さんと赤ちゃんが無事に出産を迎えるためのサポートを行います。

また助産師になるためには正常分娩を10例程度介助する必要があるため、分娩介助実習は助産学生が必ずクリアしなければならない実習でもあります。

次のようなことを助産師さんと一緒に行います。

助産師うめこ

実際にやらせてもらうよ

分娩介助実習でやること
  • 分娩中の診察
    :内診・モニターの装着
  • 分娩を進めるケア
    :足浴・導尿など
  • 分娩の痛みを和らげるケア
    :つぼ押し・マッサージなど
  • 分娩介助
    :赤ちゃんを受け止める・胎盤の処理など
  • 分娩後のお母さんのケア
    :出血量の測定・清拭など
  • 分娩後の赤ちゃんのケア
    診察・身体測定など

赤ちゃんが産まれる瞬間だけでなく分娩開始から分娩後2時間までが分娩実習の範囲です。

リアルな実習スケージュール

上の図は、わたしが助産学生だったときの実際の実習スケジュールです。

分娩介助実習は分娩の進行状況に合わせて行動するため毎日のスケジュールが変わります。

実習がはじまる時間だけは決まっていますが、お昼休憩のタイミングや切り上げるタイミングは助産師さんと相談しながら自分で判断します。

また分娩の進行状況やお産の件数によっては実習終了時間を過ぎても実習を継続することがあります。

看護学生の実習のように、あらかじめ決めたスケジュール通りに動けることは、ほとんどありません。

助産師うめこ

看護実習との違いだね

分娩介助実習の流れ・コツ

分娩実習で打ち合わせする助産師

毎日のスケジュールはその日によって変わりますが、分娩介助実習も大まかな流れは決まっています。

ここでは、わたしの経験をもとに分娩介助実習の流れについて詳しく解説します。

助産師うめこ

わたしの経験をもとに解説!

教員と打ち合わせ

分娩介助実習には学校の教員も同伴します。

実習中のケアは助産師さんと一緒に行いますが、実習の記録や目標の確認は教員にしてもらいます。

毎日病棟に行く前には教員と打ち合わせをして次のようなことを話し合います。

教員との打ち合わせで確認すること
  • 体調確認
  • スケジュール
    :分娩担当は誰か、待機時間にやること)
  • 実習記録
    :進捗確認、アドバイス

提出する実習記録や課題があれば朝のうちに提出します。

助産師うめこ

朝の作戦会議だよ

病棟到着〜朝礼

メモ帳

だいたい8時〜8時30分ごろには実習がはじまるため遅れないように病棟に行きます。

朝礼がはじまる前に病棟のホワイトボードを見て分娩進行者さんの情報を確認し、教員や実習担当の助産師さんと相談してどの患者さんを担当するか決めます。

助産師うめこ

ここで実習内容が決まるよ!

朝礼では重症患者さんや分娩進行者さんの情報が共有されるので、助産学生もチームの一員として病棟の状況を把握する必要があります。

学校や病院の方針にもよりますが、朝礼の最後に助産学生が今日の目標や実習内容を看護師さんや助産師さんに向けて発表することもあります。

実習内容や目標を伝えると看護師さんや助産師さんが協力してくれやすくなります。

助産師うめこ

助産学生もチームの一員!

実習の承諾を得る

病棟での朝礼がおわったら教員や実習指導者さんと一緒に実習の同意をもらいに行きます。

実習の同意をもらいに行くときはモニターを見たり部屋の見たりするなどして産婦さんの様子を伺いましょう。

陣痛が和らいでいるタイミングで話しかける必要があります。

情報収集

実習の同意が得られたらカルテや母子手帳から情報収集を行います。

情報が収集できたら次のようなことをすぐ考えて今日の目標とともに今後の計画を実習指導者さんに報告します。

分娩実習で考えること
  • 分娩経過は正常化
  • どんな分娩経過が予測されるか
  • 正常から逸脱しないためにできることは?
  • 出生時間の予測は?

看護学生の実習では数日かけて行うプロセスを数十分単位で進めていく必要があります。

助産師うめこ

お産は待ってくれない!

ケアの実践

実習指導者さんに計画を確認してもらえたら実践です。

助産師さんや教員と一緒に分娩促進や産痛緩和のケアをしていきます。

何かのケアをしているときも産婦さんの反応やモニターで赤ちゃんの様子を注意深く観察します。

助産診断・計画修正

分娩促進ケアや産痛緩和ケアを実施したら評価をして次の行動を決めます。

分娩はリアルタイムに進行するのでケアの合間でこまめに助産診断や計画立案・修正を行う必要があります。

新たな助産計画をしたり計画を修正したりしたら、その都度実習指導者さんや教員に報告・相談をしましょう。

助産師うめこ

主に判断するのはこれ↓

助産学生が判断すべきこと
  • CTGモニターをつけるタイミング
  • 内診が必要なタイミング
  • 分娩室に移動するタイミング

お昼休憩は産婦さんの分娩進行状況をみて適切なときに入ります。

分娩の進行状況によってはお昼休憩を取れない時は、ゼリーやおにぎりなどをすばやく食べて戻ることもあります。

分娩介助

分娩が近づいてきたらお母さんの姿勢を整えたり赤ちゃんをとりあげる準備をしていきます。

モニターや産婦さんの様子を見ながら何をどのタイミングで準備するか判断しながら行動しましょう。

いざ赤ちゃんが生まれてくるときには助産師さんと一緒に手を添えて介助を行います。

赤ちゃんんが誕生したら臍の緒を切ったり胎盤を娩出させます。

助産師うめこ

緊張の瞬間!

分娩後のケア

赤ちゃんが生まれても実習は続きます。

胎盤が出てきたら子宮の戻りや出血量を観察します。

点滴や医師の処置が必要なときは、お母さんのそばに付き添って声かけをしたりバイタルサイン測定をすることもあります。

分娩後にやること
  • バイタルサイン測定
  • 出血量の測定
  • 胎盤と臍帯の観察、計測
  • 子宮収縮の観察

医師による処置がおわってお母さんの全身状態が問題なければ清拭や着替えの介助をしましょう。

母子早期接触のサポートをするのも助産師の大事な役割です。

分娩後2時間まではお母さんの状態が変化しやすいので注意深く観察をします。

助産師うめこ

赤ちゃんが生まれてからも
やることがたくさん!

病室への帰室

分娩後2時間まで全身状態が安定していればお母さんは分娩室から病室に戻ります。

助産学生は次のようなことを判断する必要があります。

助産師うめこ

ここの判断も重要!

帰室にあたって考えること
  • お母さんの疲労具合
  • 分娩所要時間
  • 出血量
  • 帰室の方法
    :歩行、車椅子、ストレッチャー

お母さんが安全にお部屋に帰るまでサポートするのも分娩介助実習で大事なことの一つです。

分娩室の片付け・掃除

お母さんが病室に戻れたら分娩室の片付けや掃除を行います。

次の分娩に向けて不足する物品がないように準備することで学ぶこともたくさんあります。

指導者さんと振り返り

分娩室の片付けまでおわったら振り返りをします。

目標に対しての評価をしてもらったり、助産診断やケアのタイミング、分娩介助の技術についての助言をいただいたりします。

お産がない日にやること5つ

基本的にお産の正確な時間は誰にもわからないため、実習期間中でも分娩進行中の人がいなかったり実習させてもらえる産婦さんがいなかったりする日もあります。

助産師うめこ

お産がない日もある!

待機の順番を決める

お産がなさそうだと分かったら待機の順番を決めます。

分娩介助実習は学生数人でひとつの病院に行きます。

そのため入院がきた時やお産になりそうな人が出てきた時に誰が1番目に受け持たせてもらうかを話し合って決めておくことが必要です。

待機の順番が決まったら今日の病棟のイベントなどをみながら教員・実習指導者と相談してその日の実習スケジュールを決めていきます。

実習記録

分娩待機1番目の場合は病棟の空いているスペースで記録をして待つこともよくあります。

ベビーキャッチや外回り、見学実習ができれば優先して行いますが、日程が合わなかったりスタッフさんの人員が足りないこともあります。

助産師課程の記録は膨大なので、とっても助かる貴重な時間です。

助産師うめこ

記録をして待つことも多いよ!

ベビーキャッチの実習

自分は受け持ちの産婦さんがいなくても他の学生が受け持ちをしている場合、産婦さんに許可がもらえれば生まれたあとの赤ちゃんの処置をする実習を行います。

ベビーキャッチの実習では、お母さんの分娩経過からどんな状態の赤ちゃんが生まれてくるか予想して生まれたあとの処置に必要な物を準備します。

赤ちゃんが生まれたら必要な処置を行い、生まれてから1時間後・2時間後のま診察、24時間までの状態評価を行うのが実習の流れです。

助産師うめこ

赤ちゃん担当の実習だよ!

外まわり

お産をサポートするには、直接介助・外回り・ベビー係、というように最低3人が必要です。

他の学生が受け持ち産婦さんの外回りとして分娩に関わらせてもらうこともあります。

お産を直接介助する学生はお母さんの足元側から介助をしますが、外まわりは産婦さんの横に立ってお手伝いをします。

外回りでやること
  • 移動の手伝い
  • 水分摂取の介助
  • 汗を拭く
  • 声をかける
  • 家族の対応

外回りの助産師も分娩を支える上で重要です。

助産師うめこ

外回りで気づくことも多いよ!

見学

助産師外来や両親学級、NICUの見学なども、助産課程の実習に含まれています。

お産がない日は見学実習をすることもあります。

助産師うめこ

お手伝いしながら見学するよ!

まとめ

この記事では、助産学生の分娩実習でどのようなことをするかを詳しくご紹介しました。

助産師課程のメインとなる「分娩介助実習」はやることがいっぱいです。

看護学生の時よりもタイトなスケジュールで動く必要があり大変な部分もありますがやりがいも大きい実習です。

今回ご紹介したコツを参考にしていただき充実した実習ができると幸いです。

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この記事を書いた人

〜 助産師・看護師 〜
地方在住の助産師ライター
4年制大学で看護師と助産師の国家資格を取得。
NICU / GCU、産科病棟での勤務経験あり。
独学でフリーランスになり、現在は在宅ワークライフを満喫中♪

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